もっとも手近にある希望。

 

エンブレム43

 

我らの共和国は、数限りない嵐によって揺さぶられている。

  そのときでも、来るべき救済の希望は一つ残されている。

ちょうど海のさなかに浮かび風にもまれる船のように、

  共和国は、辛い海水によって今や引き裂かれつつある。

ところが、もしヘレネーの兄弟−−輝く星−−が到来するなら、

  明るい希望がわき、魂は落胆から解放される。

 

 

 

希望の表象。

 

エンブレム44

 

対話

「星を、こんなにうれしい顔つきで眺めているこの女神は、だれですか。

  だれの絵筆で、この姿が描かれたのですか」。

「エルピディウスの手で作られました。私はあの例の名で呼ばれています。

  不幸な人に進んで助力をかす善良な<希望>の名で」。

「あなたの服は、なぜ緑色なのですか」。「私に導かれるとなんでも育つではありませんか」。

  「どうして手には折れてしまった<死>の武器をもっているのですか」。

「生者が望むにふさわしいことを、私は死者から奪うからです」。

  「どうして土壷の上になにもせずに座っているのですか」。

「アスクラの畏敬の老詩神が教示しているように、害なすものがみな、

  あらゆる方向に飛んでいったとき、私だけが元の所に残っていました」。

「あなたに従っているのはなんの鳥ですか」。「カラスです。もっとも信頼のおける占い鳥。

  吉だといえないときにも、吉になるといってくれますから」。

「で、付き人は」。「<良運>と軽率なキューピッドです」。

  「どうして二人が先導しているのでか」。「目をさましている人に、中身のない白昼夢を喚起するからです」。

「隣にたっているのは誰ですか」。「悪事に報復するランノスの人です。

  許されていないことを何ひとつ望まぬようにするためです」。

 

 

 

日に日によくなること。

 

エンブレム45

 

剛毛の豚の頭が新年に届けられた。

  訴訟依頼人がいうには、「つまらないものだけど、腹のたしにしてくだせえ。

口をあんぐりと開けて、がつがつと草にくらいつくと、

  いつも前に進んで、後ろを振りかえらねんだ」。

人間にもおなじ気概が必要。すなわち、希望はくだけても

  後退することがなく、進めば進むほど、それだけよい??。

 

 

 

非合法なことは望むべきでない。

 

エンブレム46

 

<希望>と<復讐>がそろって祭壇に立っている。

  もちろんこれは、法に許されていないことを望まぬようにということ。

 

 

 

貞節

 

エンブレム47

 

もし妻が夫の家で姦淫を行うと、紫水鳥は、

  落胆して悲しみのあまり死んでしまう。

その理由は、自然の神秘に包まれている。

  正真正銘の<貞節>に忠実なこの鳥を、試金石とせよ。