自然

 

エンブレム97

 

パーン――すなわち自然万有のことでだが――を異教徒たちは崇めている。

  それは、半雄ヤギの人間、また半人間の神である。

陰部までが人間なのは、私たちの心臓から

  人間が生まれながらにもっている力が湧きあがり、その力は気高い頭脳のてっぺんに宿っている。

陰部から下は雄ヤギだが、自然が人間をこれからも産み殖やすのは、

  鳥、魚、畜生、野獣のように性交によるからだ。

交わって殖えるというのは人間もほかの動物と共通している。雄ヤギは

  淫乱の象徴で、ウェヌスのしるしをあからさまにもっている。

知慧は心臓に宿っているという人もいれば、頭脳にだという人もいる。

  下半身のことは抑制がきかないし、理性も力が及ばない。

 

 

 

自然を補助する技芸

 

エンブレム98

 

<運>の女神は球体の上に座り、ヘルメース神は立方体に座る。

  男神の方は技芸をとりしきり、女神はあれやこれやのめぐりあわせをとりしきる。

運の力に対抗すべく、技芸は[人間に]授けられている。ところが、運が悪いときにも、

  [人間には]技芸の手助けが必要となる。

だから、勤勉な若者たちよ、定まった運命を有利へと転換する

  良い技芸を学びたまえ。  

 

 

 

若さについて

 

エンブレム99

 

両方ともユーピテル神の子供で、二人はそろって頬髯(ほおひげ)もまだで、年端(としは) も行かない。

  そのうち一人はラートーナが産み、もう一人をセメレーが産んだ。

双対の神よ、おめでとうございます、いつまでもいつまでもお若くいられますように。

  できれば、お二方(ふたかた)の思し召しにより、その末永き若さに私もあずかれますように。

あなた様は御酒(みき)で心配事を減らし、こちら様は食事で病を減らしてください。

  そして、腰のまがった老年がゆっくりした足取りでやってくるようにしてください。

 

 

 

一年の四季について

 

エンブレム100

 

頭青(ずあお)アトリは、冬がやってきたことを告げる。

  おしゃべりのツバメは、早春に私たちのところに戻ってくる。

カッコウは、自分が夏を待っているのだと人々に知らしめる。

  秋にだけベカフィーコは目にすることができる。