<欺瞞>から生まれた勝利に向かって。

 

エンブレム48

 

アイアースの墓を、私こと<美徳>は涙で洗い、

  ああ、悲しみにくれて自分の白髪でむしった。

ギリシアの仲裁者に私が負けてしまい、

  <欺瞞>は強力な側に味方するというところまで事態はいたったのだから。

 

 

 

詐欺する者に向かって。

 

エンブレム49

 

体に黒い玉粒が星のように輝く小さなトカゲ、

  潜伏所と墓穴に住む斑点トカゲが、

ここに描かれている。これは、嫉妬の典型である若奥様ならとてもよく知っている

  <嫉妬>と邪悪な<詐欺>のシンボル像。

このトカゲに浸された酒を飲むと、

  かならず顔のあちこちに醜いヒラ豆型斑点ができる。

これは、男が美しい花の盛りがすぎた妾を捨てると、

  男に騙された妾が、酒を使って行う復讐の常套手段。

 

 

 

自分の仲間への<欺瞞>。

 

エンブレム50

 

囮として肥え太り、灰色の羽をしたカモは

  自分の主人のところに行き来するように馴されていて、

同類の群れが空を飛んでいるのを見つけると、

  鳴いて、その群れに入れてもらい、

しまいには、不注意な仲間をあらかじめ広げてある網に引き込んでいく。

  とらわれた鳥は泣き叫ぶが、事情を知っている囮は黙っている。

不実な鳥は同族の血で自分自身を汚すのでだ。

  囮は他人に仕え、我が身を滅ぼすのだ。

 

 

 

<中傷>

 

エンブレム51

 

アルキロコスの大理石の墓には、スズメバチが刻まれていたといわれている。

  ハチは毒舌をあらわす定石。

 

 

 

殺害者たちを請け負う人に向かって。

 

エンブレム52

 

追い剥ぎと盗賊の群れが、いつも馬鹿なお前にくっついてきて

  町をかけめぐる。恐ろしい剣を身につけた賊たちだ。

浪費家よ、そんなふうにお前の壷が幾人もの悪人を誘き寄せているからといって、

  自分は寛大な心の持ち主だと自己評価している。

姿が変わったアクタイオーンをみてみろ。角をつけられた自分が

  手飼いの犬の餌食になっている。

 

 

 

おべっか使いに向かって。

 

エンブレム53

 

いつも口をあけ、自分の食べる汚い空気を

  カメレオンはいつも吸ったり吐いたりする。

そしてさまざまな色を身につけては、いつもその姿を変える。

  ただし赤色と白色を除いては。

そのようにまた、おべっか使いは人息を食べ、

  大口をあけて、なんでもがつがつ吸収する。

そして白い清純と赤恥を知らないおべっか使いは、

  君主の黒い習慣だけをまねる。

 


 

 

 

自分のものを一度でも浪費した人に、他人のものを委託させるべきでない。

 

エンブレム54

 

コルキスの女の胸にどうしてお前は巣を作るのか。ああ、

  鳥よ、何も知らないお前はどうしていたずらに子供を預けるのか。

恐ろしい母親、このうえなく残酷なメディアは、自分の子供を

  殺した。この女がお前の子供の命を助けるとでも思っているのか。