記憶学芸

 

記号化の胎動:ギリシア・ローマ時代における記憶技芸の系譜 『名古屋大学言語文化論集』21巻第1(1999) pp. 69-110.

プラトン以来つづく西洋記憶技芸は、物事を効率よく覚える記憶術とはことなり、記憶の権利や身分を人間の認識の枠組みや言語記号論という枠組みでとらえようとしていた。この哲学的記憶技芸が認識と記号という二つの地平においてどのように変化していったのか、プラトンからクインティリアーヌスまで、原典を引用しつつ概説した。



人間回帰

「僕にインキをつけさせておくれ」―『アストロフェルとステラ』におけるエロスの発現― 『藤井治彦先生退官記念論文集』 玉井章編(英宝社 2000年) pp.175-186.

この詩や同時代の宮廷絵画がもっているなまなましいエロス性は、道徳的な安定した有機的解釈によって囲い込まれ馴致された形で提示されてきた。しかしそんな従来の解釈を破るような特異点の出現(エロス性の発現)箇所に注目すれば、むしろ道徳的抑圧に屈せずリアルに表象しようする誠実な精神的構えがみえてくる。


ラテン語

(現代ラテン語会話』[共訳 他2名](大学書林 1993年)

古典ラテン語で,現代の会話を状況別に再現したもの。格言・俚諺なども含み,古典ラテン語を生きた言語として学ぶためのテキスト。

 

教科書

J. H. Plumb, The Book of the Renaissance(註解)(NCI 1990年)

Susan Woodford, Looking at Painting (註解)(松柏社 1994年)

 

ルネッサンス文化をもっとよく知るための著書・論文