文学

結婚の時間―『ジェーン・エア』における男性原理と女性原理 『言語表現と時間』<特定研究>(1990年) pp. 37-49.

この小説が書かれた19世紀の工業化社会において,時間が客観的・計量可能な存在として意識され,いわば「男性化」した。その影響がこの作品にもみられることを指摘した。


“Moll Flanders' Pursuit of Gold”(英文)『武庫川女子大学紀要』第33巻(1985年) pp. 35-43.


“Robinson Crusoe: A Wanderer through Repentance”(英文) Mukogawa Literary Review 第22巻(1986年) pp. 41-51.


『マクベス』と時間 Mukogawa Literary Review 第24巻(1988年) pp. 1-14.
















エラスムス流知的外国語学習の復権:古典格言へのアプローチ 『特定研究シリーズ:マルチメディアネットワークを利用した外国語教育』第7(1997) pp. 79-90.

エラスムスの『格言集』に反映している知識人という新人間像が,エラスムス肖像画という視覚化された形になっている。異なった言語体系と,それと抱き合わせになっている文化との接触から,自らの思考基盤を問い直すその知的人間像のあり方は,現代ではギリシア・ローマ古典文学の格言との接触から可能になることを論じた。

 

矮小化された象徴形態:ソシュール『一般言語学講義』における恣意性からみた文字 『名古屋大学言語文化論集』20巻第1(1998) pp. 43-75.

名称目録説の否定から恣意性の肯定へというソシュールの提起は、表音文字(アルファベット)世界で成り立つことであり、「表形文字」(漢字)にはあてはまらない。表形文字は、物質性を孕みもち、記号表現と記号内容とほとんど同時に喚起させる。しかも表形文字は、人為的な法にたいする「無為の自然」(ピュシス)と密着しつつ、人間技術(テクネー)に対抗する「自然の技」(ピュシス)になっている。表形文字(漢字)までをも、恣意的としてしまうと、表形文字がもっている象徴形態を矮小化することになる。

 

文学一般と言語をもっとよく知るための著書・論文