Top Page (誤解と理解)

 Home Page
(形像文化の世界へ)

ようこそ。 西洋文化と日本文化の接点を、誤解と理解という視点から眺めています。

鈴木繁夫
 

英語感覚

Grammatical Misunderstandings >> 記事詳細

2018/08/12new

最後に電話をしたのは君? 過去形とto不定詞のコンビ

Tweet ThisSend to Facebook | by geoschita

「最後にあの人にメールしたのは君じゃないかい。」


○ Weren’t you the last one to call him?


☓ Aren’t you the last one calling him?


 「君じゃないかい」というので、私たちはAren’t you と現在形で尋ねてしまいます。しかしそれではとても断定的に相手に聞こえます。なぜなら既に説明したように、現在形というのはちょっとやそっとで動かない事実に対して使う形だからです。

 「君ではないかい」と尋ねているのですから、これはちょっとやそっとでは動かない決定的な事実ではありません。別の言い方が必要になるわけです。そこで使われるのが過去形です。

 なぜ過去形なのでしょうか。 過去形の意味は「現在」からの断絶でした。過去形を使うことによって、述べていることは現在から切り離されます。そのために過去形を使った文では、場合によっては相手にとって夢想として聞こえてきたり、あるいは場合によっては丁寧に響くことになります。

 ここでは話し手が相手に向かって「電話をした」のは君じゃないのかと尋ねているのですから、「君が電話をした」という断定ではありません。「君が電話をした」という私の推測は、もしかしたら間違っているかもしれません。そこでAren’t you ではなく、Weren’t youとなります。Aren’tを使ってはまるで尋問のような響きを持ってしまいます。

 次にto cail himの箇所です。

 to不定詞と動詞~ingとの違いは、既に説明したように、to不定詞は原則として、まだやっていないこと、他方、動詞~ingはすでに行ったこと言い表すために使われます。とするならば、ここでは電話をしたというすでに行ったことを言い表しているわけですから, calling himにすべきだと思うかもしれません。

 しかしこれもまた先ほどの、ちょっとやそっとでは動かない事実かどうかということと関わってきます。 話し手は相手に向かって相手が電話をしたかどうかという事実を確認しているわけで、実際に電話をしたかどうかは話し手にはわかっていないわけです。

 ですからもしもここで動詞~ingの形calling him を使ってしまうと、話し手は相手が既に電話をしたという事実を知っていることになってしまいます。知らないはずのことを知っている形で聞くというのは嫌味以外のなにものでもありません。 ですのでここでは既に行っていない形、不定詞で相手に向かって尋ねることになります。






22:51 | 投票する | 投票数(0) | コメント(0)