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(形像文化の世界へ)

ようこそ。 西洋文化と日本文化の接点を、誤解と理解という視点から眺めています。

鈴木繁夫
 

お知らせ

■同一の歌・篇あるいは同一の巻からの記事の場合、最初の段落はほぼ同じ内容が記載されていることがあります。
■ラテン語はローマ字読みでも西欧人に通じます。しかし、ラテン語の母音は長く読むものがあり、それをきちんと踏まえた方が正確な読みに近づきます。また詩では、韻律の関係から、単語の末尾の母音などが省略されることがあります。読み方に<詩>とあるのは、韻律を踏まえた読み方です。
 

Witty Remarks in Latin

ラテン語格言 >> 記事詳細

2019/08/28

危機の打開

Tweet ThisSend to Facebook | by geoschita

Grande doloris / ingenium est.

グランデ・ドローリス/インゲニウム・エスト

「ひどい目にあうと、そこから生まれる知恵はすばらしい。」(オウィディウス『変身物語』3574-5)

この言葉は、アテネ[アテナエ]の王女フィロメーラが、その姉妹プロクネーの夫テレウス王によって陵辱されたばかりか、小屋に一年以上も監禁されていたとき、フィロメーラがプロクネーにテレウスの酷い仕打ちを伝える方法を思いついたときの有り様を描写している。

フィロメーラが編み出した方法とは、ギリシアの女性にとっての嗜みにして家事でもあった布織りにかこつけて、模様のなかに自分の窮状を伝える特別な印を織り込んで、その布をプロクネーに届けることであった。この策は見事に成功し、実情を知ったプロクネーはフィロメーラを救い出し、姉妹で力を合わせ、テレウス王に復讐を果たす。

「翅(つばさ)がほしい羽根が欲しい。飛んで行きたい。しらせたい。」(近松半二・三好松洛『本朝廿四孝』(1766) 四段目)というのは、歌舞伎の「三姫」のひとり八重垣姫が、許嫁であった武田勝頼に追手が迫っている危機を知らせられたらと願ったときの言葉。姫は、「法性の兜」(諏訪湖美術館に現存)に向かって祈願すると、諏訪明神の使いである白狐が姫にのりうつり、姫は氷の張る諏訪湖を渡り勝頼に追いつき、勝頼を救う。
 

中央で二人の女性が機で織っている。

ギリシア油壷(メトロポリタン美術館・ニューヨーク)


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