▶英訳を考える◀【状況:旅行手段】 虐げられる都市間バスはそれでも重要
都市間バスを使った旅行は、国としての規制があるわけでもないし、電車や飛行機で移動する旅行よりも公的助成金は少なく注目度も低い。とはいえ、旅費を安くあげたかったり、飛行機や電車の便がない場所に行こうとすると、バスはかかせないものなのだ。
◇英訳◇
Intercity bus travel isn’t federally regulated and attracts less attention and public funding than passenger rail or air travel. Nonetheless, it plays a vital role for passengers who need cheap transportation or who are traveling to places with no air or train service. (WSJ)
■ここに注目■
【1】《語法:副詞》 国としてのは日本の場合であれば governmentally となるが、アメリカではfederally (連邦政府の) となる。
【2】《語法:名詞》 電車や飛行機で移動する旅行は、飛行機旅行は air travel と日本語からすぐに類推できるし、電車での旅行も train travel と書くことも可能。しかしここではとくにアメリカにおける都市間の長距離の乗車なので、passenger rail と書くほうがやや専門的な印象を与える。
【3】《語法:接続詞》少なく~低いは、less X than の比較構文を使うが、Xの部分に2つの異なった名詞・形容詞(A and B)が入ることになると、理屈では less X than とわかっていても、感覚的には less A and less B thanとless を2度使わないと気がすまない。これは、 A and B が日本語の感覚ではAとBとの独立性が強く響くため。しかし and は bread and butter のようにAとBを一つにくくり融合させる効果があるので、例文のように less は一つで十分。
【4】《語法:名詞》 便がないは、 no service. この単語は誰かに仕えることが原義で、神に仕えるのは礼拝、公に仕えるのは公務、公共事業、人に仕えるのは給仕。ここでは公共事業。
【5】《語法:形容詞》 かかせないものなのだは indispensable だが、これは絶対に必要不可欠ということで、それなしには人や物が機能しなくなるという意味。しかしここではそのような絶対のニュアンスではなく、きわめて重要なということなので、vital.