▶英訳を考える◀【状況:赤ん坊】現代版お食い初め
今までとは違ったやり方をする親が増えてきている。そのやり方とは、保護者がいっさい手を出さずに、赤ん坊がブロッコリー玉、軸付きトウモロコシさらには牛のあばら肉蒸し煮をかじるというものだ。
◇英訳◇
Growing numbers of parents have been adopting a different approach – one where the child gnaws away on a head of broccoli, corn on the cob or even beef rib, without any caregiver help at all. (BBC)
■ここに注目■
【1】《語法:自⇔他》 違ったやり方をする親が増えてきているは、日本語の発想だと parents who adopt a different approach is increasing になる。しかし英語の認知は、ある出来事のなかの特定のモノに焦点をあて、そのモノが~をするあるいはそのモノが~であるという形で出来事を描写するという構えをとっている。ここでは親が焦点としてあり、その親がどうしているのかといえば、違ったやり方をすると捉えることになる。増えるは、地と図の関係でいえば、地であって、図はあくまでも親が違ったやり方を採用する。
【2】《語法:代名詞・接続詞・関係詞》 やり方とはは、it is でそのまま続けたくなるが、複数あるやり方の任意のひとつなので it ではなく one で受ける。またそこに続けるのに、be動詞を入れてしまうと one is that という形で定義をするような響きになる。ところが one whereにすると、たとえば例としてこのような…という言い方になる。
【3】《語法:名詞》 ブロッコリーの1玉は a head of.
【4】《語法:名詞》 軸付きトウモロコシはcorn on the cob で、アメリカ文化では夏の風物詩になっている。
【5】《語法:動詞》《二元対立:漠然⇒具体》 かじるは gnaw だが、ゆっくりとかじって、かじるプロセスがわかるときには gnaw away とaway を入れる。awayの基本的意味は、ここから遠くへと離れていく動きとその動きが感知できることをあらわすが、遠く離れればここから消えてなくなるので消失するという意味もともなう。away に加えて、英語の漠然⇒具体の流れにそって具体を述べるので on を入れて、 gnaw away on となる。