▶英訳を考える◀【状況:文化遺跡】「痛し痒し」の発見場所


ペルーのナスカは、塩が層を成していることで有名だ。この層によって、人間や動物の死骸は腐ることなく乾燥するので、ここは考古学上の発見ができる重要な場所になっている。ここのおかげで古代文化が今でももっとよく分かるようになったのだが、同時に盗掘も引き寄せたのだった。
◇英訳◇
Nazca is known for salt flats that dehydrate and preserve human and animal remains, making it the site of important archeological finds that have deepened modern understanding of ancient cultures – and attracted grave robbers. (Reuters)

■ここに注目■
【1】《構文:分詞構文》ナスカはので、ここはというように、Xので、Y というように2つの文を日本語でつなぐ場合には、原則としてXとYの主語は同じものにする。ところが英語では、Xにあたる部分の基本は S+V+Oという文構造で、Sにまず焦点をあててOまで言い切って、次に、OがSに対してどのような影響を受けているのか、OはどうしてSの影響を受けるのかの説明へと続けていく。そうしたOの説明のために、関係詞が使われるが、関係詞を省略して、関係詞を導く節の動詞を分詞にしてつなげる方法が、英語では頻出する。ここでも、salt flatsの説明として、まず関係詞 that で説明し、さらなる説明を続けるために、 that makes とはせずに、動詞を分詞にして making として続けている。
【2】《語法:形容詞》 有名だは、be famous for をすぐに使いたくなるが、これは誰もが知っているほど「有名」ということで、有名であっても一部の人にしか知られていないなら、be known for.
【3】《語法:動詞》 腐ることなくは、徐々に自然に腐っていくという意味の decay を使えるが、英語では肯定的な表現を好み、しかも直前の動詞は dehydrate でnotは使われていないので、 and not decay とはせず、preserve を使う。
【4】《語法:名詞》 場所は、機械的に place に置き換えがちだが、遺跡や重大事の現場site.
【5】《構文:無生物主語》 《語法:動詞》 今でももっとよく分かるは、日本語につられてシンプルに表現すれば make us understand it betterになる。しかし使役のmakeは、相手の意志(この表現では usの意志)を問題にして、その意志がどうであれというニュアンスを含む。ここではそもそも現代の考古学者の意志は問題にならないから、makeは避ける。そして今でももっとよく分かるの部分を見てみると、
(1)~によって…よく分かるとなっているので、無生物主語構文だとわかる。
(2)さらに深く見てみると、日本語ではこの場所によってと読めてしまうが、実際には
(3)この場所で発見されたものによってだとわかる。ということは場所ではなく発見されたものが主語になる。
(4)次に【1】ですでに触れたが、OがSに対してどのような影響を受けているのか、OはどうしてSの影響を受けるのかの説明の形で、ここの部分を組み立てる必要がある。
(5)ここでのSは 発見されたもの finds で、Oにあたるものは分かる understanding.そして (1)から無生物主語構文なのでつなぐ動詞は、もっとよく deepen となる。


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