▶英訳を考える◀【状況:ヴィジョン・プロ】 アヴァターに代わる代理


ヴィジョン・プロ搭載のカメラのほとんどは着用者側を向いていないために、外からかかってきたビデオ通話に応えるときには、着用者側の姿を映せない。そこでアップルが考案したのは、写真まがいのリアルな着用者3次元仮想代理人だ。
◇英訳◇
Because most of the Vision Pro’s cameras are pointed outward, it can’t capture you in a video call. So Apple renders a 3-D virtual photorealistic stand-in for you. (Reuters)

■ここに注目■
【1】《二元対立:自⇔他》 側を向いていないにはやや詳しい説明が必要です。日本語では、自分が<モバイルカメラ>を持ち、自分を人である相手の立場に同化させ、状況・状態に寄り添いながら、説明していきます。これに対して英語では、舞台を設定し、その舞台を撮る<スタジオカメラ>を固定して、遠くから俯瞰するように状況・状態を説明していきます。ヴィジョン・プロ搭載のカメラを説明するとき、日本語では、まず相手、つまりプロを着用する人に自分を同化させるので、プロのカメラがどちらを向いているかは、着用者の立場にたって、着用者側であるのかないのか、そしてプロの場合には着用者側ではないという説明になります。ところが遠くから俯瞰する英語では、カメラの向きと着用者との関係をカメラが着用者に対して外向き(青色矢印)か内向き(緑色矢印)かという捉え方をします。そのために、point outwardとなります(例文で受身形になっているのは、Because節の主語と、主文の主語とが異なっているため)。→【サイト内検索】◆二元対立の英語感覚◆《自⇔他》Part3 日本語と異なる英語認知パターン


【2】《語法:名詞》 外からかかってきたビデオ通話に応えるは、日本語では人が何かをするという陳述形式を好むので「応える」という動詞が必要になります。しかし、英語では「人が何かをする」よりも「何か」、つまりどういうことなのかという名詞表現を優先します。そのために英文では、「応える」という動詞は省かれ、a video call となります。また call は誰かが誰かを呼び出すことですが、例文の場合にはプロ着用者を呼び出すことに決まっているので、外からかかってきたも訳出不要となる。→【サイト内検索】前置詞: 認知パターンが前置詞を動詞化する
【3】《語法:動詞》 考案したgenerate, develop でも可能ですが、PC用語として、元になるに何か(モデルやプロンプト)から画像生成をする場合には render.
【4】《語法:名詞・形容詞》 写真まがいのリアルな代理人のうち代理人は、agentを使うと保険会社と顧客の間に入って契約を説明し履行する人の意味になってしまう。本来の俳優とは異なった別の人が肩代わりで代役を務めるのはstand-in. また写真まがいのリアルなは photoを接頭辞とした形容詞を使い photorealistic. なお写真写りがよいは、photogenic.


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