▶英訳を考える◀【状況:着陸】 月面着陸ロボットは短命
日本のロボットは、無事に月に着陸したが、太陽電池に(1)異常があるために、(2)任務を果たしても数時間で(3)終わるだろう。
◇英訳◇
A Japanese robot has successfully touched down on the Moon, but (1)problems with its solar power system (1)mean (2)the mission (3)may live for just a few hours. (BBC)
■ここに注目■
【1】《二元対立:漠然⇒具体》 着陸したは、landed on でも可能だが、上から下に舞い降りる down と漠然といっておいて、次に具体的な接触点を on the Moon として示すのが、英語のこなれた表現。
【2】《語法:名詞》 太陽電池は日本語からすると solar batteries だが、電池そのものに問題があるというよりは、太陽電池を含めた電源系統に問題があるので、solar power system. 英語では、いろいろな部分がワンセットになって正常に稼働するものを system と表現する。例 the solar system (太陽系)。
【3】《語法:名詞》 異常は、解決すべき問題と考えて problems.
【4】《構文:無生物主語》 異常があるために、任務を果たしても…終わるだろうは、日本語にひかれると、”Due to its problems, the complete accomplishment of the mission will be impossible.” のような英文になるが、英語は無生物主語(ものが何かに作用を及ぼすという形式)を多用するので、(1)の部分は、異常は~をあらわす mean (この単語には運命づけられているという意味もある)と考え、また(2)については、動詞中心の表現を好む日本語から生じる「果たす」は無視して、任務は終わる the mission ends と考えるか、逆に肯定的表現にして the mission lives とする。