中動態学習: 欧米とは異なる社会環境のなかでの学習生態

能動態・受動態枠の学習生態

ナレッジ・ワーカーという生涯学習者

【人間像】

知価社会でもっとも理想的とされるタイプ。

白律的に知識を吸収する

環境変化に対応する柔軟性を身につけ

知識を実践に生かせる人材

【背景】

生涯学習(生涯教育):学習者の主体性が尊重される。

学習者の関心・興味が引き金になり、生涯にわたり学び続ける。

教育の責任は自分自身

能動性自分で考える力があり、自己進化しつつ、状況をできる

学歴ワーカーという一過性学習者

【人間像】

言われたことをきちんと実行できる

既定路線を踏襲し、そのなかで最適化を図る

【背景】

押しつけの画一教育である学校だけで学習が完結する

できないところ克服し、全方位に凹凸のない能力を身につける

学歴取得が社会構成にあたっての主要原則となる

教育の責任は国(教育の機会均等と質保証)

受動性所与の状況のなかで誰も傷つかない形で問題解決する


「ナレツジワーカー」のスキル

21世紀を生き抜くための教育:

  • 問題発見・解決能力、(2)コミユニケーション能力、(3)共創する力

結果として、

(1)「学歴社会」という社会構成原理を崩す

(2) 自ら学ぶ力が「資本」となって、その形成・蓄積・転換が社会構成原理。「

政策担当者の意向

(1) 暗記学力、役立たずの大学教育に質の保証。

(2) 大人は、完全雇用から十全な雇用可能性fully employabilityへの政策転換

(3) 対費用効果を重んじる資本主義


中動態・能動態枠の学習生態

中動的学習者の環境適応

学習機会を見極め探していくのではなく、機会に出くわし、その機会において投資効率がうまくいくようにする。

ただし、学習機会を拒絶せず自分で選択したという「自由判断」(liberum arbitrium) がともなっている。

学習内容、学習、学習成果に対して、意味が自ずと湧き上がってくる

自然に自分で学習活動を参照(セルフ・モニタリング) し続けてしまう

参照枠は、自己の内面において想定された他者一般からの承認

その結果

自律的学習者の振る舞いと、ある場合には外面的な類似が起こる。

自律的学習者=「生涯を通じて、人的資本への投資効率が最適化するように学習機会を選ぶことが、利口な人的資本家の振る舞い」

中動的学習者の学び:幸せになれないリスクがあるから、学んでしまう

学習の停滞は、知識・技術の未消化だけでなく、学習能力自体が劣化する

せ学習による熟達度が維持できれば充足感を味合える

環境として与えられた学習課題を消化しなければ、評価を通じて、低い価値与えられ、人的資本を過小評価される

学ぶことを苦痛と感じず、楽しみに変える高等な学習能力=「学ぶ楽しみ」が自然に身についている