Impresa (Device) | 私章 | 王侯貴族や学者などの宮廷人が自らの信条を顕示するために、明瞭な図絵と簡明な銘とをペアにして作ったもの。英語では、銘図(device)とよばれる。シャルル八世(Charles VIII〔1470~1498〕)のイタリア侵攻などによって、フランスからイタリアに伝わり、イタリアで流行する。 |
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Hieroglyph | ヒエログリフ(聖顕図像文字) | ホラポッロンHorapolloによる『聖顕文字』(Hieroglyphica 1419年発見)に基づく表意図像文字。その大半はギリシア起源の寓意にもとづくこじつけ。本来のエジプト神聖文字との関わりは薄い。 |
Imago | 創像 | いくつかの既存の像やその像の一部分を、自分の創意で組み合わせて作られたあらたな像で、紋章や標章としてもちいられたもの。 |
Symbolum | シンボル | たんなる記号から、もののしるし、そして家紋や国の記章、エンブレムまで、すべてを包括してさす言葉 |
Numisma | メダル刻印 | 古代ギリシアの貨幣には、アテネの国紋であるフクロウが刻まれていたように、貨幣にはなんらかの意匠が刻まれた。ルネッサンス期には、自らの信条とともに、その心情を表す図絵をメダルに刻印する慣習があった。 |
Adagium | 格言 | 人間一般の振る舞いとしてよく見られるが、意識的に顕在化させていない事象を、短い関係な言葉で言い表したもの。 |
sententia | 寸言 | 主観的な思い入れのある格言で、意見なり、考え方なりを示している。 |
motto | 銘 | 自らの行動するときの戒めや努力の目標などで、典拠は古典文学、格言などによることがおおい。銘は、銘を掲げている人の心のなかにどのような信条があるかを、外在化している。 |
medal | メダル | 表麺には誰であるかを示す肖像とその名前があり、裏麺にはその人の銘(モット-)とその銘をあらわす図絵がある。ルネッサンス期にメダルのほとんどは鋳造されており、肖像や図絵はきわめて精巧な仕上がりになっている。なおメダルは、制作依頼主がごく一握りの仲間などに配布したもので、大切に保管された。けっして貨幣のように大量に出回っていたものではない。 |
badge | 私有記章 | 記章は誰が所有しているのかを示すためのもので、従者や臣下、そしてその所有者の持ち物などにつけられ図案。格言などの銘はつくことがない。私有記章は、戦いでの集合地点を示すための記章旗(standard)の図案としても使われる。レンブラント「夜警」の画面中央左の大きな旗は記章旗で、紋章旗ではない。 |
banner | 紋章旗 | 戦いでの集合地点を示すための記章旗(standard)と区別される。記章旗は長い竿に大きな長方形の旗がつき、旗には私有記章が図案化されている。これにたいして、紋章旗は家系にかかわり、貴族が用いるもので、四角い旗で、貴族の紋章が描かれている。紋章旗は、家の偉功などを相手の誇示する象徴的はたらきをもっている。なお紋章旗には、格言などの銘はつくことがない。 |