私たちにとっては聴覚と視覚はまったく別の独立した感覚です。そのために、メッセージを伝えるときには、文学は文字(直線・時間)だけにたより、絵画・彫刻といった美術は画面や石(空間)に依存するのがよいことだと考えられています。

 ところが、中世から17世紀初頭頃まで、視覚と聴覚は不可分の伝達媒体でした。造形化された物のなかに言葉を読み取り、また逆に、言葉で表現されたものを視覚的にとらえていく、そういう融通無碍な習性が根づいていました。そういう習性があったからこそ、絵画の中に文字が記され、また図絵と文学が合体したエンブレム集が誕生したのでした。

 ここでは、主としてルネッサンス期の絵画を中心に、絵画の中に描かれた文字を頼りに、絵画の解読を行っています。

 

「勝手道具判じ物 下」 1847-1852年

  1. 表音文字文化の中での表意文字文化の誕生(スライドによる解説)
  2. 再生論 (palingenesis):模写と逸脱    さらに詳しい解説[スライド版]
  3. 複写を超える、古典との対話
  4. 画像と文字の共在と協力:止まらない寓意解釈  

Unveiling the Philosophy of Vision: Bridging the Divide between Microscopic Precision and Mirrored Perspectives in Dental Treatment
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「見える」の意匠: 顕微鏡下直視と顕微鏡下鏡視の治療法間にみられる破折
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奥行き感覚:   2次元世界の視覚錯誤 (3) 両眼視と単眼視
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奥行き感覚:   2次元世界の視覚錯誤 (2) 腹側経路と背側経路
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奥行き感覚:   2次元世界の視覚錯誤 (1)
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保護中: 高野陽太郎 『鏡映反転-紀元前からの難問を解く』(岩波書店, 2015)
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