◆幸福◆ 幸せに気づかない
O fortunatos nimium sua si bona norint.
オー・フォルトゥナートース・ニミウム・スア・シー・ボナ・ノーリント
自分たちが恵まれていることに気づいていたなら、なんという幸せ者であろう。
(ウェルギリウス『農耕詩』2巻458行)
■解説■
詩人ウェルギリウスによる『農耕詩』は、田園にみられる活動を題材とした教訓詩。その内容は、ブドウなどの作物の育て方、家畜の飼育法といった実践的な教えから、自然でいきる動植物や自然そのものの活動から示唆される幸福な生き方までも含んでいる。引用句では、田園で農耕に勤しむ生活がどれほど恵まれた人生を送っていることなのか、それに気づいて欲しいといっている。農耕生活が幸せとよべる理由は、戦争の災禍を被ることがなく、都会の生活と異なり気ままで取り繕う必要がなく、静かな毎日が送れるといったことをあげている。もちろん奢侈や贅沢は味わえないが、それでも自然が爽やかで快適な場所を提供してくれることは、何物にも代えがたいという。

▶比較◀
上田五反に、味噌醤油、柴沢山に、小者一人。
(『諺苑』〔1797〕)
■解説■
米の収穫率が高い田んぼが五反歩(約5000m2)あり、毎日の食に必須の味噌醤油があって、炊飯などの使える柴が豊富で、さらにそれらに加えてお手伝いさんが一人いれば、農家の生活としては必要十分に幸せだという。
