ボルノー 徳の現象学
禁欲と吝嗇(りんしょく)
「備えあれば憂いなし」(時期にかなって節約すれば、困ったときに足りている)。もっとあとの時点のためにひとつの楽しみをとっておくために、目下自分に達成可能な楽しみを抑制することだ。つまり人間は、将来の備えんがために現在を断念するのである。
これは形骸化すると「吝嗇」となる。その結果は、マルクスの指摘するように、ものを空虚に所有することにほかならない。「君が食べ、飲み、本を買い、劇場に行き、舞踏会に出かけ、料理屋におもむき、考え、愛し、理論化し、歌い、描き、感じる等々をすることが少なければ少ないだけ、ますます多く君は節約することになる。」
■著作一行紹介■20世紀戦後の日本の教育界に、理念規範をあてはめるのではなく、内的理解という現象学的アプローチを吹き込む。
▶要言一行紹介◀ 徳と悪徳は背中合わせになっており、人間は生活世界においていつも綱渡り的状況にある。

