大胆:大胆な者たちに運命は手を貸す
Audentes fortuna iuvat.
アウデンテース・フォルトゥーナ・ユウァット
大胆な者たちに運命は手を貸す。
(ウェルギリウス『アエネーイス』10巻284行)
■解説■
トローヤの王子アエネーアースは、滅びる母国から同胞を連れて脱出し、建国の地を求めてローマにたどり着いた。しかしそこはすでにルトリー族の居住地であり、ルトリー族の王トゥルヌスは、トローヤ人を侵略者として駆逐しようとする。引用文は、両族の間で戦いが開始される直前に、そのトゥルヌスが部下たちに向かって発した言葉。 なお類型として Fortes fortuna iuvat. (フォルテース・フォルトゥーナ・ユウァット)(キケロー『トゥスクルム談論』 2, 4, 11)がある。

アエネアースに殺されるトゥルヌス(16-7世紀 銅版画)
▶比較◀
諺にも、運気は根気にあり、辛抱が宝、勘忍が銀(かね)なりといふにあらずや。
(脇坂義堂『福相になるの伝授』[1802])
■解説■
近世日本では徳川時代以降、幕末の内戦を除いては、戦争を経験していないこともあって、大胆や運はどうしても経済的なことと関連づけられてしまう。『福相になるの伝授』は『金まうけの伝授』などと合本にもなって、石門心学の教えとして流布していった。
