慣用句: 卵から

Ab ovos.

アブ・オーボー

卵から。

(ホラーティウス『詩論』147行)

■解説■

「物事の開始点から」という意味。これは、詩の原則に関わる箇所からの引用で、叙事詩を書くときの注意であった。ホラーティウスは、詩作にあたり、物語はその開始時点から始めるべきではないと教える。トローイア戦争の原因は、メスパルタ王メネラウスの妻ヘレナをトローイアの王子パリスが奪い、ヘレナを返さなかったことにある。ヘレナは、アイトーリアの王女レーダが白鳥に変身したユッピテル大神によって陵辱された結果、卵を産み、その卵から生まれた娘。したがってこの戦争を語るにはヘレナが卵から生まれた出生が開始点となるが、そこから物語を初めてはならないという。 【参照】→Nec gemino bellum Troianum orditur ab ovo.

卵から生まれるヘレナ (前375-350年頃 壺陶器 バーリー考古学博物館 蔵)

▶比較◀

卵から骨をさがす

■解説■

 卵を割って中を探しても骨があるわけがないのに、あえて探しだそうとすることをいい、他人の欠点のあら探しをしてそれを言い立てることをさす。


❖言葉❖ 文体は生き方の反映
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❖豊かさ❖ 満足する技法
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❖豊かさ❖ 向き合い方が肝心
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❖豊かさ❖ 執着からの自由
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❖豊かさ❖ 豊かさの極地
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❖豊かさ❖ 満ち足りた心が必要
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