◆二元対立の英語感覚◆《旧情報⇒新情報》 「人に物をあげる」書き換え


 英語では相手と私との間に共通に了解しあえること(旧情報)が文の前に来て、相手が知らないことや私が相手に伝えたいこと(新情報)は旧情報の後に置くようにします。
 ところで、中学の英語でgiveやbuyが「人に物を~する」という形をとることを教えられ、それにあわせて「人に物を~する」には次のような書き換えができるようにも教えられます。 

(1) Peter gave his girlfriend a box of artificially flavored chocolate.
→(2)Peter gave a box of artificially flavored chocolate to his girlfriend.
 ピーターは彼女に人工甘味料のついた箱入りチョコをあげた。

(3) Peter bought his girlfriend a box of artificially flavored chocolate.
→(4) Peter bought a box of artificially flavored chocolate for his girlfriend.
ピーターは彼女にと、人工甘味料のついた箱入りチョコを買った。

前の文と後の文とでは表面的にはそこで言われている内容は同じなのですが、この文の話し手や書き手の意図は、情報の流れを考えると、前の文と後の文とではその伝える意味が異なっています。

前の文[(1)と(3)]は、私と相手との間でそれまでピーターについて話をしていて、ピーターにはいま付き合っている彼女がいるといったことが話題になっています。そして、話し手である私は、相手に向かって、あのオーガニック・フードにうるさいピーターがこともあろうに人工甘味料がたっぷりついたチョコレートを贈った(買った)んだよ、という相手に伝えたい新情報が文の末尾部分に来ています。

これに対して後の文[(2)と(4)]では、オーガニック・フードのピーターが人工甘味料チョコをこともあろうに、自分の彼女に買ったんだ――なんとピーターは、自分の彼女の健康はどうなってもよいと考える薄情者だということになります。