《点(瞬間動作)⇔ 線(状態)》 まぎらわしい Know


 動詞のなかには、ある状況によって瞬間の動作、別な状況では継続的な状態をあらわすものもあります。しかもそうした変怪する動詞は、私たちがもっともよく使う動詞のなかでも、have, know, rememberがそうなのです。ここでは knowについて見てみることにします。

私自身の失敗談になりますが、同僚の結婚しているアメリカ人女性がお目出度(懐妊)ということを、他の同僚から耳にしました。彼女とばったり会ったとき、

☠ I know you are expecting. 
妊娠したんだってね。わかってますよ。

といってしまいました。

knowは「知っている」ですから、「あなたに子供が生まれることを知っている」という線(状態)で、相手にいってしまいました。これだと、なにかまずい事情があって本当は子供を宿したことを隠そうとしているが、隠そうとしても宿したことを私はちゃんと「知っている」という意味になってしまいます。

ところが私の他の同僚からお目出度を聞いて、「おめでとう」とこの女性にいいたいだけですから、今会って気づいたのではなく、過去においてそういう情報を得て、その時点で「知った」といえばよいだけですから、

☀ I got to know you are expecting.
 妊娠したんですね。

となります。

ところが、knowの前に get to を付けなくとも、knowはある時点で「知った」、「わかる」という点(瞬間動作)の動詞として使われることがあります。これは「~してみれば」、「~したときに」という点の時点が示されるか、あるいは示されなくともその時点が含意されている場合に、そうなります。このお目出度の場合でいえば、

☀ I knew you are expecting when I happened to see you walking very slowly on the corridor.
この前、廊下をゆっくり歩いているのをたまたま目にしたので、お目出度だなってわかりました

電話をかけてみれば、相手が不在かどうか「わかる」という場合も、かけてみた時点で、「わかる」という瞬間動作が起こるので、

☀ You will know whether he is at home when you call him on the phone.
電話をしてみれば、彼が家にいるかどうかわかるよ。

となります。