◆二元対立の英語感覚◆《確定事実⇔話者の気持ち》soon とimmediately ではどちらがはやいのか
immediately→客観的な確定事実
soon→話し手の気持ち
soon と immediately は、どちらも辞書には「すぐに」とありますが、soonはどのくらい「すぐに」なのかがわかりません。
I am afraid we’re all getting a little tired, but we’ll be there soon.
みんな少し疲れてきたみたいだが、あそこにはすぐに着くよ。
このすぐが5分後なのか、一時間後なのかは、これまで何時間歩いてきたのかによります。
レポート提出に間に合わない学生が先生に、ちょっと待って下さいというときには、
I’ll finish my paper as quickly as possible and hand it in soon.
となりますが、このとき厳しい先生なら
How soon?
といきなり聞いてくるはずです。仮に提出が一週間後であっても、自分にとってそれが提出予想よりも早ければ、soonになります。このようにsoonは主観的に「すぐに」ということで、客観性はあまりありません。
Immediatelyは、without delayとかvery soonといった定義が辞書には書いてありますが、これではsoonとの違いがあまりはっきりとしていません。immediatelyは「何か他のことをする前に」であって、上のレポート場合でいえば、バイトをする、大リーグ中継をテレビで見る、彼女とデートをするといったような何かをする前に、なによりも優先させてレポートを提出するということで、客観性があります。
ですから先生に向かって、
I’ll hand my paper immediately.
といえば、先生は嫌な顔をしません。しかし、もしもいたずらに時間を費やしている様子がすこしでもうかがえるなら、この子は自分の言葉を守れない子だと判断され、信用はがた落ちになります。
なおもうひとつsoonとimmediatelyの違いがあります。それはsoonは単独では「~をして、すぐ後に…をした」というように連続二つの動作の間の時間が短かったことをいえないことです。
☠ I drove back home around midnight after a long tedious meeting, and felt so exhausted that I went to bed soon.
こういうときにはimmediatelyを使います。
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