▶英訳を考える◀【状況:新製品】新AI


ティム・クックによるアップル知能の位置づけは、iPodのクリックホイール、iPhoneのタッチパネルと同じ画期的発明であり、それらを祭る殿堂に入れている
◇英訳◇
Tim Cook puts Apple Intelligence in the same pantheon of innovative breakthroughs as the iPod’s click wheel and the iPhone’s touch interface. (WSJ)

■ここに注目■
【1】《二元対立:自⇔他》《日英語の認知相違:なる⇔する》ティム・クックによるアップル知能の位置づけは、英訳ではTim Cook puts Apple Intelligence になってしまう。これは、誰かがなにかに作用を及ぼすという英語の定型表現に対して、日本語のそれは、なにかが~となるであるために生じてくるためである。そしてこの違いがあるために、日本語のなにかに当たる部分に、英語の誰かがなにかに作用を及ぼすの部分が吸収されて、なにかを修飾する句として処理されてしまう。そのために、英語に訳すときには、修飾句を主語+動詞として文の形に変換する必要がある。もう少し具体的にいうと、「Xによる+なにか」 のなにかの名詞部分を動詞化し、Xの部分を主語として立てることになる。
【2】《語法:名詞》 タッチパネルは和製英語で、例文にあるように touch interface あるいはもっと一般的には touch screen (touchscreen). “The iPhone’s touchscreen is unresponsive.”「iPhoneのタッチパネルが反応しない」。
【3】《語法:名詞》殿堂入り殿堂pantheon. そして入りは、in the pantheon となる。パンテオンは、ローマの神々を祭ったとされる万神殿のことで、それが転じて、一国の偉人たちを一挙に集めて祭る殿堂の意味となった。


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