◆死◆ 誰であろうと死の前では無力

Aequa tellus/Pauperi recluditur,/Regumque pueris.

アエクア・テッルス/パウペリー・レクルディトゥル/レーグムクエ・プエリース

下界は、貧しい者にも、王族の息子たちにも、等しく開かれている。

(ホラーティウス『歌章』2巻18歌32-34行)

■解説■
 ホラーティウスがいう下界とは、死者の住む冥府(めいふ)のことで、引用文は、貧乏人はしぶとく生きて冥府にはなかなか行けないが、世襲の国にとっては一大事の、王の息子は、いとも簡単に死んでしまうという皮肉な日常を踏まえての発言。この歌で、ホラーティウスは現実の財やその財を使った家屋・装飾・装身具が死の前にはいかに無力であるのか、そして地獄の沙汰も金次第というのがいかにまやかしかを神話の例を引きながら暴き出す。この歌では、蓄財欲、財をひけらかす名誉欲を抑制するように勧められている。

子供時代のネロ像(1世紀, ウフィツィ美術館蔵)

▶比較◀

年の若きを頼むべきにあらず、老少(ろうしょう)不定(ふじょう)の境なり

(『平家物語』「祇王(ぎおう)」[13世紀])

■解説■
 平清盛のお気に入りの(しら)拍子(びょうし)であった祇王は、その母・妹とともに優雅な生活を送っていたが、清盛の寵愛が仏御前(ほとけごぜん)という白拍子に移ったのを期に、この世の移ろいやすさに気づき、親子ともども尼になる。その祇王のもとに、後に仏御前が訪れ、仲間に加えてくれるように懇願する。引用文はその御前の懇願の中の言葉で、なんと御前も寵愛を失い、頭を剃っての懇願であった。年齢が若いからといって、それを頼りしてはいけない。そもそも、老いも若きも、いつ死ぬのか定まっていない、移ろいやすい世界であるという。


❖言葉❖ 文体は生き方の反映
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❖豊かさ❖ 満足する技法
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❖豊かさ❖ 向き合い方が肝心
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❖豊かさ❖ 執着からの自由
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❖豊かさ❖ 豊かさの極地
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❖豊かさ❖ 満ち足りた心が必要
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