鈴木謙介 (2013) ウェブ社会のゆくえ: 「多孔化」した現実のなかで (NHKブックス)

¶「意味」が、情報技術によって生み出されるようになったことで、本書で「情報空間」と呼ぶような空聞が生まれた。

¶親密であるということは、親密な間柄であれば見せてもいいと自分が判断した情報を開示するということ、つまり親密さが自己の選択の問題になる。……自分が見せることを許可した相手に「親密である」というラベルを貼ろうというわけだ。

 

¶<空間的現実の多孔化>現実の空間に付随する意味の空間に無数の穴が開き、他の場所から意味=情報が流入したり、逆に情報が流出したりする。

¶<空間的現実の非特権化>多孔化した現実空間においては、同じ空間に存在している人どうしが互いに別の意味へと接続されるため物理的空間の特権性が失われる。

■著作一行紹介■ ユビキタス社会になり、私がどういう人間かというあり方は、従来のような物理的な空間の生む親密さによってのみ規定されず、自分で選択するネットでつながった相手との親密な関係によっても規定される。

▶要言一行紹介◀ ネットにいつでもどこでも接続できることにより、物理的な空間を破る情報空間に私たちは入り込めるようになったため、親密さの概念が塗り替えられた。

◆一口コメント◆

社会学者ギデンズがいう、近代における再帰的モニタリングの徹底化と、それにともなって起こった親密さの概念の転換を説明しながら、ウェブ社会で私たちが直面しているマインドセットの変質を解明している。説明のわかりやすさ、解明されて導き出されるビジョンは、とても魅惑的である。