▶英訳を考える◀【状況:ヴィジョン・プロ】 従来の機器が不要になる
アップルのヴィジョン・プロによって、家ではテレビの見方が、職場でのコンピューター利用法がガラリと変わるかもしれない。ヴィジョン・プロのヘッドセットを着用すれば、可能性として、テレビやマックといった従来型のものが必要なくなるかもしれないのだ。
◇英訳◇
Apple’s Vision Pro could upend how people watch television at home and how they use computers at work, potentially positioning the headset to be a successor to both traditional television and the Mac. (Reuter)

■ここに注目■
【1】《構文:無生物主語》 Xによって、Yが~かもしれない。英語では、(1)まずあるひとつのコト・モノ(X)に焦点をあて、(2)その焦点が他のコト・モノ(Y)にどういう働きかけをするのかという見方をする。(1)のコト・モノが主語となるために、英語では無生物主語が多用される。ここでも(1)プロ・ヴィジョンが焦点・主語になり、それが、(2)見方・使い方に影響を及ぼすという表現になる。また無生物主語の構文の含意は、人間には抵抗しようにも抵抗できないコト・モノの意志の働きがある。→【本サイト内検索】《自⇔他》Part1 行為者と受け手でよいのか?, 《無生物主語》Part 2:人間にはあらがえない意志が働く
【2】《語法:動詞》 ガラリと変わる は、強い影響を与えて一転して事態を転倒させてしまうという意味をもつupend. up-end というつながりからわかるように、缶や瓶の上下を逆さにするといったときにそもそも使われた。
【3】《語法:動詞》 着用すれば~なくなるは、日本語では無生物主語ではなく人が主語となるのが通例であるために、人がプロ・ヴィジョンを着用すれば~となるとなる。しかし英語では、無生物主語が多用され、実際ここではプロ・ヴィジョンが事態を転倒させるということ(直前の内容)が主語になっている。そのために動詞は、XをYとして位置づけるという意味の position X to be Y を使う。
【4】《語法:名詞》 必要なくなるというように、日本語ではあまり気にせずに否定的に表現してしまうが、英語(特に米語)では事態を何事もプラスに、プラスにと表現する傾向がある。そのために、継承者になるという意味の a successor to とする。
