仲正昌樹. (2009). 『今こそアーレントを読み直す』講談社 (2)
アレント 意志 解説補足
意志:現在とはなにがしか異なった状態を「未来」においてもたらそうとする営み (pg.178)
自由意志:他人による強制とか圧力から”自由” な意志の在り方だけでなく、自然界を支配する物理的な因果法則から、「自由」である (pg.179)→因果法則によって支配される身体的な欲求からも「自由
自発的意志という仮構:外界からの影響や、身体の生理的な欲求の複合的な効果として説明できる (pg.180)
意志の不自由:身体的欲求のままに行動している状態
責任:自由意志が欠如している人には問われない
道徳:自由意志が”ある” かのように振る舞わなくてはならない (pg.181)
私:身体に生じてくる様々な物理的作用の複合効果として脳の中に生じる幻影。→”私の意志” を実現すべく努力(しようと)することが、空しい (pg.182)
純粋な自由意志:現実的な理由とも関係なく、自発的・無条件に、「私は〜したい」という形で生じてくる。
自由という深淵:「私」は何(因果法則それとも偶然)によって”私の意志” を定めているのか、よく分からなくなってくる。