◆二元対立の英語感覚◆ 格助詞「の」の英訳 Part03 所在 vs. 行為の場所 vs. 性質・状態
イギリスの友人: a friend in UK
イギリスの生活: the way of life in the UK
赤い十字の旗: a flag with a red cross
イギリスの友人とZoomでチャットした。⇒ 所在:~にいる。
?? I had a Zoom chat with an UK’s friend.
⇒ I had a Zoom chat with a friend in the UK.
この表現は、英国という所在を示しているので、いま英国にいるという意味なのでは、その友だちは英国人とは限らず、日本人旅行者でもよいことになります。英国人ということをはっきりいいたいなら、
⇒ I had a Zoom chat with a friend from Britain.
I had a Zoom chat with a British friend.
イギリスの生活にもやっと慣れた。⇒ 行為の場所:~における
△ I have finally become accustomed to the UK’s way of life.
⇒ I have finally become accustomed to the way of life in the UK.
場所の前置詞を使う必要があり、基本的には自分をすっぽり包む場所には in、一点として意識される場合には at になります。
赤い十字の旗は、イングランドの国旗だ。⇒性質・状態:~の状態である
△ A flag of a red cross represents England.
⇒ A flag with a red cross represents England..
X with Y の形では、XがYとともに存在する、付随してあるという意味が基本です。旗は、その布地にいろいろな形や色をのせることができるので、with が使われます。
別な例をあげれば、
そのおとぎ話の王女様は、ブロンドの髪の子でした。
The princess in the fairy tale was depicted as a girl with golden hair.
王女に付随して、王女とともにブロンドの髪があるので、with が使われます。
この with はともに付随してあるということから所有の意味ととれますが、所有の of との違いは、たとえばa flag of a red cross では旗の形が赤い十字と解釈されてしまうことです。<名詞1 of 名詞2>の形は、名詞2が名詞1 に働きかける、逆にいえば名詞1 は 名詞2 の影響を受けるが基本なので、赤い十字が旗に働きかけて、旗は赤い十字の影響を受けるということになり、イメージとしては赤い十字だけで旗を形作っていることになってしまうのです。また、ブロンドの子も、「の」にひかれて a girl of golden hair とすると、髪の色がブロンドだったという単純な意味ではなく、「赤ずきん」がそうであるように王女を他の子供から引きたたせ特徴づけるポイントをあらわすことになってしまいます。