◆二元対立の英語感覚◆《漠然⇒具体》不定詞の形容詞的用法
不定詞の形容詞的用法:具体化するための付加情報
実は私たち日本人がうまく使えない英語の用法のひとつが不定詞の形容詞的用法です。不定詞の用法として、名詞的・形容詞的・副詞的とこの三種類の区別を習い、形容詞的用法として、
(1a) I just want something to drink.
飲むための何かが欲しい。→何か飲み物が欲しい。
といった形で提示され、ひたすら私たちはそれを暗記します。しかしこの日本語を英語に置き換えようとすると、
△(1b) I want to drink something.
この言い方が日本語から類推する英訳としてどうしても頭に浮かんでしまいます。
同様に次のような例でも、日本語から類推した英文になってしまいます。
私たちは明日は一日中ハイキングだ。
△(2a) We are going to go hiking for the whole day tomorrow.
ボルトは世界で最初に100メートルを9秒台で走った。
△(3a) Bolt ran the 100 m in 9 seconds for the first time in the world.
これといった趣味はない
△(4a) I don’t have any particular hobbies.
ところが漠然から具体へという英語の流れに沿うと、
(2b) We have a full day of hiking to do tomorrow.
(3b) Bolt is the first man in the world to run the 100 m in 9 seconds.
(4b) I don’t really have any hobbies to speak of.
これらは、いずれも
(2)ハイキングをする
(3)何年かかる
(4)趣味がない
が漠然であって、それらの内容を絞り込むためにto 不定詞が続いています。
各文のbにあたる言い方が私達に日本人に難しいのは、次の例が示すように、漠然の部分(太字)と具体化する付加情報の部分(下線)とが日本語では互いに割り込み合っているからです。
(4) 我が社の製品について気の利いたことが言えるように考えています。
I’ve been thinking of clever things to say about our products.