<離婚と結婚> 公開講演会:恋愛と結婚の前近代・近代・脱近代

David M. Notter (慶応大学・教授)
「恋愛と結婚の前近代・近代・脱近代」

日時:2015年 3月6日(金)午後4:00~6:00
場所: 文系総合館 7 階 オープンホール
入場無料・ 事前申込不要

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講演内容 (鈴木要約)

 「好きな人と固く結ばれる」という観念は、社会学ではロマンチック・ラブ・イデオロギー(和製英語)といわれています。運命の相手に一目惚れし、すべての障害を乗り越えて結婚し、情熱を生涯に渡り維持していくというこの観念は、とくに英米では19世紀から20世紀中頃まで支配的でした。日本もこの観念の影響を強く受けましたが、在日30年、京都人が奥様のノッター博士は、日本人の結婚観はむしろ友愛婚に近いことを教えてくれます。友愛婚は歴史的には17-18世紀の英国で形成された考え方で、家と家との結びつきによる家父長制型結婚とは異なり、個人が配偶者を選択でき、夫婦間の感情や相性を大事にしていく結びつきです。日本では理想的異性像としての「やさしいひと」がまさにそれで、これは英米には見られない現象だとのことです。

 1980年代から「愛・性・結婚」の三位一体が崩れ、従来の結婚観は席捲されつつあり、感情的満足が得られないならゲーム・オバーというトレンドが優勢になっています。この風潮を、社会学者である博士は、親近性などの社会学概念を紹介しながら、必ずしも嘆くべきではないと指摘します。現在の結婚の制度上の意義はどういうことなのか、学生から高齢者までの参加者の頭のなかでは、たくさんの疑問符が湧いてきました。

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