▶英訳を考える◀【状況:政治的失策】 官邸に宗教を招き入れる


フランスのその方面の専門家たち右であれ左であれ、大統領その体制の世俗聖域に宗教を入れてしまい、重大な失策を犯したと見なした
◇英訳◇
For French opinion-formers of all stripes, the president had committed an enormous faux-pas by allowing religion into the secular hallows of the presidency. (BBC)

エリーズ宮(フランスの大統領官邸)

■ここに注目■
【1】《構文》 XYZしたと見なしたという文型は、その多くの場合、日本語に訳す際には、X consider Y +as+ Z(動詞の名詞化)になる。(X)French opinion-formers of all stripes considered (Y)the president’s allowance of religion into the secular hallows of the presidency as (Z)an enormous faux-pas. しかしZをしたことに対する評価よりも、YがZをしたということを強調する場合には、For X, Y+ Z(動詞)となる。
【2】《語法:名詞》 その方面の専門家は、オピニオンリーダとは異なっている。オピニオンリーダは、人々から権威とみなされ、その意見が世論を形成する発言力をもつ知識人のこと。これは和製英語ではなく、 opinion leaders という英語も存在する。これにたいして、例文のように opinion-formers とすると、該当する領域についての知識が豊かで、その知識から該当する行為をどのように評価したらよいのか、世論形成の方向づけできる専門家のこと。
【3】《語法:名詞》 右であれ左であれは、思想背景、身分などが異なっていることをあらわす all stripes. all stripesは all kinds と置き換えられるが、こちらのほうが全般的な種類をさす。
【4】《語法:名詞》 世俗聖域は、世俗は聖なるものの反対語なので、この2つを結びつけるのは撞着語法oxymoron になる。フランスでは公の場に宗教的シンボルや服装を持ち込んではならないという決まり(ライシテ laïcité)がある。公の場という点では世俗だが、その世俗領域に、宗教的なものを持ち込まないということが聖なる掟になっている。
【5】《語法:名詞》 重大な失策を a serious mistake とすると、「大変な誤り」と、ごく一般的な過誤のなかでも重度の過誤ということになる。しかしここでは不適切で不評を買うような誤りなので、faux-pas (フランス語だが英語としてしっかり流通している)を使う。


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