▶英訳を考える◀【状況:政策への反対】 資金提供の中止を求める
反対者たちの多くは、ピンク色のものを身に付け、「ガザ包囲は止めよ」の紙をもちながら、米国はイスラエルへの資金提供をやめるように求めた。
◇英訳◇
Many protesters wore pink and held signs reading “No to the siege of Gaza”, as they called for the US to stop sending funds to Israel. (BBC)
■ここに注目■
【1】《語法:動詞》 ~の紙は、「掲示に~と書いてある」の連想から saying を使ってしまうが、 saying では、「多くの反対者たち」が声に出して「~」にあたるメッセージを唱和するなり、「~」にあたる意見を述べて、そのメッセージが書かれた紙をみせたことになってしまう。黙って、メッセージの紙を出したのなら、reading.
【2】《語法:接続詞》 XしながらYをしたは、X as Yの形。接続詞asは、XとYが同時に起こることを示す。日本語ではXとYは通常、入れ替え可能だが、英語ではas Yの方が全体の状況、as に先立つXはその全体状況の中での際立った出来事をあらわす。
【3】《語法:動詞》 資金提供は、providing funds だが、これは相手を助けるために提供することになる。なぜならprovideは相手が不足し必要としているものを提供することだから。ところが sending funds にすると、たんに送付する send だけなので、相手が必要としているかどうかは曖昧になり、またこちらが相手を助けるという意図があるかどうかもわからなくなる。