▶英訳を考える◀【状況:軍事行動】 交戦の即時終了
サウジを始めとするイスラム諸国は、(X)イスラエルのパレスチナに対する軍事行動は自己防衛として正当化できないとして、(Y)ガザでの交戦を即時終了するように求めた。
◇英訳◇
Saudi Arabia and other Muslim countries (Y)called for an immediate end to military operations in Gaza, (X)rejecting Israel’s justification of its actions against Palestinians as self-defence. (Reuters)
■ここに注目■
【1】《二元対立:旧情報⇒新情報》 英語では旧情報から初めて、新情報を提供するという流れになることはすでに述べた(「人に物をあげる」書き換え)。この文も、サウジという旧情報から、「即時終了を求めた」という新情報の流れになっている。しかし、XとYといった2つの新情報を並列させる場合、日本語ではより重要な情報(例文ではY)が文末にくるため、「XとしてYをした」となる。しかし英語ではより重要な情報が前にくるので、英文ではY, X という順になる。そして、例文のようにXはしばしばYと主語をそろえて、Xの主語を省略し、X内の動詞を分詞にしてYに続ける。
【2】《語法:名詞》 軍事行動…交戦のうち、軍事行動 military operations は目的を達成するために陸海空軍が連携しながら行うもので、通常、大規模になる。一方、交戦 (military) actionは、軍事行動の一環として行われる個々の局部的な行動で、空爆、ドローン攻撃などをさす。