▶英訳を考える◀【状況:野生動物】 熊の出没
熊が出没するのは通常は4月頃だが、これは熊が冬眠から覚めて、食べ物を探すからだ。また9-10月にも出没するが、これは冬に備えて脂肪を蓄えるために食べ物が必要だからだ。
◇英訳◇
Bear sightings and incidents happen usually around April when they awake from hibernation in search of food, and then again in September and October when they eat to store fat for the winter months. (BBC)

■ここに注目■
【1】《語法:名詞》 熊が出没するのはという「の」表現は出没することだが、「こと」表現は英語では熊の出没と名詞化(「もの」表現)する。つぎに、出没は文字通り訳せば、appearances and disappearances となるが、普段はいないはずの熊が現れるという「こと」で、しかも英語はこの現れることを外側から眺める「スタジオカメラ」が必要なので、カメラが熊の姿を捉えると考えて、sights. また現れることだけが問題ではなく、子供を襲う、作物を荒らすといったことが問題なので、incidents. ただ子供を襲って実際に子供が傷を負うなどのことが中心であれば accidents.
【2】《語法:動詞》 ~だがは何かが偶然に起こる場合には happen. 英語では人ですらも、次の例のように「もの」化される。Ken happened to meet an old friend from college while waiting for the train at the station.
【3】《構文:節》 Xだが、これはYは、日本語では出来事を語り、次に別な出来事を語るという「つぎつぎとなりいく」連続的な語り口になり、XとYというそれぞれの出来事を時間順に継起させる。これに対して英語では語っている対象をものとして「一つにまとめあげる」語り口になるので、X when Y という形にして、(XY)としてまとめあげる。
【4】《語法:名詞》 食べ物が必要は、日本語では「SがV1をし、そしてSがV2をする」というように同一主語の繰り返しをしない。例文でいうなら、「熊が目覚めて、そして熊が食べる」という言い方は日本語ではしない。日本語ではV2の意味を主語にしてそこに新たな動詞を補う。「熊が目覚めて、食べ物が必要になる」。ところが英語ではとくに一文のなかでは主語を変えずに、「SがV1をし、そしてSがV2をする」という言い方をする。そのために、they awake…they eat となる。
