◆二元対立の英語感覚◆支配領域《内⇔外》Part2 to不定詞と動名詞の違い:通常の説明
to不定詞: 未実践/ 仮想
動名詞:実践済み/一般行為
to不定詞と動名詞の違いについては、他の項目で說明しました。
1️⃣ to不定詞のtoは前置詞で「まだ未到達の~に向かって」ということなので、to不定詞という形は <前置詞+原形動詞>であって、原形動詞の行為がまだ行われていない場合に使う。また未到達なので、「もし原形動詞することがあるなら」と仮想の行為を表現できる。
2️⃣ 動名詞は、動詞にing を付けて名詞にしたもので、<be+動詞ing>が進行形であることが示唆するように、すでに行っている動作をいう場合に使う。また動名詞なので、行為を一般の概念(イメージ)としてあらわす。
だからたとえば、次のような文があった場合、実際に私が夫を起こす行為をしたのかどうかはどちらの文が正しいのかというと、
(1)
(a) 電話が朝4時に鳴ったので、夫を起こそうとした。
(b) I tried to wake up my husband when the telephone rang at four in the morning.
(c) I tried waking up my husband when the telephone rang at four in the morning.
to不定詞は、まだ行っていない行為、動名詞はすでに行った行為なので、私が寝ている夫の体を実際に揺すって起こそうとしたのは、(1 c) になります。(1 b) は電話が鳴ったので、夫を起こそうという気持ちは起こったが、実際には何もしなかったということになります。
また類例として、自分の趣味(英語でのhobby は他の人がやっていない珍しいことをいう場合に使います)を紹介するときには、
(2)
(a) 実をいうと、私の趣味は、蛇の脱皮した皮を集めることなのです。
(b) Honestly, my hobby is to collect shed snake skins.
(c) Honestly, my hobby is collecting shed snake skins.
すでに蛇皮を集めているので、(2 c) が正しく、(2 b) は不正解となります。もしも「私の趣味」ではなく、「私の夢」であるなら、夢はまだやっていないことですから、
(3)
(a) 実をいうと、私の夢は、福をよぶお守りである、蛇の脱皮した皮を集めることなのです
(b) Honestly, my dream is to collect shed snake skins, a talisman to bring good luck.
とするのが正しい用法ということになります。
以上が別項での説明のおさらいですが、もっと応用の効く見方もあります。それは、to不定詞・動名詞はいずれももともとは動詞ですから、何らかの行為を行うわけですが、その行為を行う誰か・何かが必ずいます。この誰か・何かという主語が、動詞で示される行為に対して、主語がコントロールできる範囲内にあるのか、それともコントロールできない領域にあることなのかということでも説明できるのです。