◆二元対立の英語感覚◆《漠然⇒具体》look forward to の後にはなぜ 動名詞~ing がくるのか.


動詞+副詞+前置詞句
look forward to~   漠然の副詞から 具体の前置詞句へ

英語学習でおなじみの「楽しみにして待つ」look forward to~も実はこの「副詞+前置詞句」を踏襲し、漠然具体の流れにきちんと沿っていることがわかるでしょう。

 look forward to~はひとかたまりで熟語として覚えますが、英語感覚としては
(1) look「意思を働かせて見る」がどこを意識的に見るのかといえば、
(2) forward 漠然と前の方向、それもforwardには時間がこれから先の方向という意味と、あって欲しいと思っている方向という意味があるので、将来を期待して見るということになります。
こうして漠然といっておいて、その次に具体的に絞り込んで
(3) to~  toは「到達点」なので、「~」という具体的なことが起こることを期待して見るということになっています。to~の部分は動作ではなく、具体的なこと、つまり動詞ではなく名詞句がこなくてはなりません。だからここには たとえば to visit ではなく 動名詞 seeing あるいは名詞 visit がきます。(この説明に、腑に落ちない人は、次のgive upの例まで我慢してください)。

I looked forward to my visit to Oxford as something important for my academic career.
I looked forward to visiting Oxford as something important for my academic career.
オックスフォード大での滞在は学術研究にとってとても重要なことなので、待ちに待っていた。


こういうわけで、look forward to~は、~という良いことを期待(=楽しみに)して待つとなります。試験結果を待つというときに、試験でのできが良いと自分では思っているならこの表現が使えることがわかります。逆に、試験での成績が振るわなかったと思っているときには使わないことがわかります。

    look  forward  to~
       漠然    的なこと

「禁煙した」もgive up smoking よりも give up on smokingという表現を多く聞きます。これも同じく漠然具体の流れになっていることはいうまでもありません。
(1) giveは「~を差し出して与える」、この場合にはoneselfが隠れていて、「自分自身を差し出して与える」。
(2) では漠然とどういう方向にかといえば、up「終わりに」ということです。upというと高い場所へというイメージですが、低いゼロ度から始まって終着点の高い100度まで上るということで「終わりに」というイメージももっています。”Time’s up.”(制限時間終了!)のあのupはこの「終わりに」です。そうすると、give upで「自分自身を終着点に差し出して与える」という漠然としたことになります。
(3) では何について終わりにするかといえば、on~「~に圧力をかける」(onは「~の上に」は誤解です)、なかなかやめられないことなどに意志の力という圧力をかけて、自分自身を終着点に差し出す、つまりやめるということです。「今日買い物に行くのをやめた」という場合に、もしも

I gave up on going out shopping today.

といえば、今日はバーゲンで目をつけていたスーツが半額で買えるので絶対に行きたかったのだが、仕事の都合であきらめたというように、どうしてもやりたかったことをやめるということになります。これに対してたんに買い物は今日はやーめたというように、買い物をとくにやりたいという気持ちが最初から低い場合には、

I’ve changed my mind about going shopping today.

となります。

さらによく私たちが使う表現で、

☠ I want to brush up my English at this class.

このクラスで自分の英語を研きたい。

というのがありますが、これも正しくは

☀ I want to brush up on my English at this class.

upはさきほどの give up のup と同じで度合いが100ということですから、brush upで徹底的に磨きをかけるわけです。そして何に磨きをかけるのかといえば、サビがついた英語ですから、 give up on のon と同じく、力をこめて英語のサビを落とすわけです。

 こうしてみると、次のような用例は「熟語」として覚える必要はなく理解できるでしょう。

She called in at a chemist.
 彼女は、薬局に、立ち寄った。

The local government drew back from its initial agreement of a 2 percent pay rise for its employees.
 役場は、当初約束していた職員給与2%アップを撤回した。

My husband is away on business.
 夫は今、出張中なんです

We thought we’d bought lots of food, but it didn’t add up to much when we’d spread it out on the table.
 たくさん食料を買いこんだと思っていたが、テーブルに広げてみたら、たいした量になっていなかった。