▶英訳を考える◀【状況:職場の人間関係】職住の区別化により、絆が切れて薄い人間関係
仕事はプライべートとはっきり区別したいという社員は多いが、それは、同じように多くの管理職が口にする、職場の人間関係の疎遠を増長させる。
◇英訳◇
Many employees say they want sharper boundaries between their jobs and personal lives, adding to what many bosses say is deepening disconnection at work. (WSJ)
■ここに注目■
【1】《語法:名詞》 仕事を work(不可算)とすると自分が従事している職種の職務全体をさすのに対して、job(可算)とすると職務の中のいろいろな仕事(会議に出る、企画書を作成する、企画の実行など)をさす。
【2】《語法:形容詞》 プライべートをそのまま private livesとすると、自分の健康状態、資産状況、会社と無関係の友人関係などをさすことになってしまう。personal livesだと職務から生じるのではない、自分の趣味、家族との過ごし方などの私的生活をさす。
【3】《語法:名詞・形容詞》 はっきり区別したいの区別は、日本語では動詞だが英語では<make+名詞>で表現。区別をboundaries とすることで、仕事がプライベートの領域に侵入してくるのを妨げるための防波堤・境界を設けるという意味になる。また日本語の<形容詞+名詞>の形では、形容詞 (sharp) を比較級で表現することはあまりないが、日本人の感覚からするとかなり神経質に、現在の状態よりもさらにという意味で、比較表現 (sharper) を用いる。
【4】《語法:名詞》 社員は多い…同じように多くの管理職は、例文では many employees say …many bosses say とわざわざ対比させられている。こういうときには日本語では「同じように」という言葉でその対比が示される。
【5】《語法:名詞》 人間関係の疎遠と日本語では名詞表現になるが、疎遠が目下進行中なので be deepening と動詞を使って表現する。
【6】《語法:動詞》 増長させるは、X add to Y でXによってYの質がいままで以上に顕在化する場合に使う。