▶英訳を考える◀【状況:情報漏洩】 原因究明で情報当局・外交官は忙殺
この情報漏洩を調査し、漏洩が可能となった制度上の欠陥を並行して分析することになるが、それによって情報当局と外交官はしばらく考えさせられることになるだろう。
◇英訳◇
The investigation into the leak and parallel analyses of systemic flaws that may have permitted leaks are likely to preoccupy intelligence agencies and diplomats for some time. (WSJ)
■ここに注目■
【1】《語法:動詞》 可能となった欠陥は、過去においてそういうことを可能にしたはずの欠陥ということで、すでに起こったことの推量なので、may +have+過去分詞を使う。日本語ではこういう場合、推量の意味を、可能であったかどうかであらわすために、 could+have+過去分詞 としてしまいがちだが、それでは~しようと思えばできたがやらなかったという異なった意味になってしまう。
【2】《語法:動詞》 可能となった欠陥の可能は、permit. 日本語では英語の無生物主語構文がなりたたないことが示すように、主語の意思・非意思の区別をする。そのために、permit も日本語の感覚ではその主語には人などの意思があるものしかこないように想像してしまう。ところが、例文のように欠陥 flawsという非意思のものが「許す」permit という表現もでき、この場合には、日本語訳は「許す」ではなく「~できる」ということになる。逆にいうと、「~できる」=can と結びつけるのは意思・非意思の区別にとらわれた日本語的見方ということになる。
【3】《構文:無生物主語》 ~になるが、それによってのうち、~は「調査し分析する」と英語では無生物の名詞でも日本語では動詞として訳すが、これは日本語では調査、分析というモノ表現よりも、「~すること」とコト表現が好まれるため。それは、モノを指す場合とコトを指す場合と両方あるが、ここではコトを指す。
【4】《語法:動詞》 悩まされるでも、時間をたくさんとる場合には preoccupy.
【5】《語法:形容詞》 なるだろうは、客観的にみて特定の状況で起こりうる場合には、 be likely to. 主観的にみてなら mayや would.