◆二元対立の英語感覚◆《 some⇔any》 someの後になぜ単数名詞がこられるのか
some⇒それなりの
someが「それなりの」とわかると、someの後にはいつも複数形がくるわけではない理由もわかってきます。
遺失物取扱所で、自分のものを引き取るのに、身分証明証が必要ですといわれますが、それはこのような英語になります。
(1) I need your name and some ID.
名前と身分証明書が必要です。
some IDs だと、免許証、保険証など複数枚見せることになりますが、ここでは一つあれば十分です。ただし、会社の発行するような証明書は認めてくれないでしょう。だから「それなりの」身分証明書なのです。次の例も、some の後に名詞(単数)がきていますが、どういう意味でしょうか。
(2) Mr. Koizumi has already had some success in pushing through reforms.
小泉首相は、改革を推し進めることにすでに成功している。
改革を押し進める小泉首相は、不良債権処理、独立法人化などですでに複数の成功をおさめているわけですが、some successes ではなく some success としています。名詞(単数)を使うことで、それらの成功をひっくるめてその成功の重みが細々とした軽いものではなく、「それなりの」ものであることが伝わってきます。何個の成功をおさめたのかではなく、成功の質がそれなりの実質をともなったものであることに力点がおかれているのです。
もう一つ例を見てみましょう。お年玉をもらっている日本の子供をみて、アメリカ人は不思議に思い
(3) Is that some sort of Japanese tradition?
あれは日本の伝統なのか。
これはこの家に特別なことではなく、日本の伝統か、それも「それなりの」一般的な伝統かたずねているだけです。
かつての英和辞典には、「[some+数えられない名詞] かなりの, 相当な」と、ことわっているものがありました。someの後の名詞が数えられるかどうかよりも、むしろ単数形であることによって、名詞の内容に「それなりの」というずっしり感が伴っていると考える方がよいでしょう。
(4) I have some fear for the future of this company.
この会社の将来が心配なんだ。
会社の将来について、思いつきで、たまたま気まぐれで、心配しているのではなく、実質をともなって「それなり」に心配しているのです。
