▶英訳を考える◀【状況:AI】 15以上の質問をすると、AIは適切な反応をしない
新版Bingでチャットする場合、一回のセッションで質問が15回を超えると、「役立つ反応が必ずしも得られるわけでなく、企画意図とはあわない論調になりかねない」と、マイクロソフト側は注意を促していた。
◇英訳◇
Microsoft noted that chat sessions of 15 or more questions can prompt the new Bing “to give responses that are not necessarily helpful or in line with our designed tone.” (WSJ)新版Bingでチャットする場合、一回のセッションで質問が15回を超えると、「役立つ反応が必ずしも得られるわけでなく、企画意図とはあわない論調になりかねない」と、マイクロソフト側は注意を促していた。
■ここに注目■
【1】《構文:無生物主語》 Xする場合、YがZをするとは、X がきっかけとなってYが判断をし、Zという行為に出る場合には、X prompt Y to do Z.
【2】《二項対立:漠然⇒具体》 一回のセッションで質問が15回を超えるは、漠然とセッションといっておいて、15回を超えると具体的に絞り込んでいく。なお、英語では何をもっとも言いたいか、そこにまず焦点(漠然)をあわせて、その焦点化された対象に後ろから前置詞句などをつけて具体化していく。これに対して日本語では、まず全体の状況(Bingでチャット)を述べてから、その状況下においてみられる個別的なことを並立的に付け足していく(<一回のセッション>+<質問が15回を超える>+<反応が得られない>+<意図に合わない論調>)。参照 千栄美・オールライト 『英文法は絵に描きやすいルールでできている』(明日香出版社, 2022)「〈ことばモデル〉 その場に漂う日本語、一直線に進む英語」
【3】《語法:動詞》 注意を促していたは、相手に対して威嚇する警告であるなら warn だが、不都合な事態が起こるかもしれないといった注意喚起であるから note.