▶英訳を考える◀【状況:新冷戦】 避難民でも仕事は継続
彼女にはノートパソコンが大事だった。他の多くのウクライナ人と同様に、これまでの生活が完全にひっくりがえって、恐ろしい状況に身をおくことになっても、仕事は続けたかったからだ。
◇英訳◇
Her laptop was important because she, like many Ukrainians, wanted to carry on working despite the complete upheaval of her life and the dreadful circumstances she found herself in. (BBC)
■ここに注目■
【1】 ノートパソコンは和製英語で、正しくは laptop. これは腰かけた状態で膝の上に置くものという意味。
【2】 upheaval of her life の of ~はここでは主格なので~がと訳す(ofの基本三用法)。主格の場合の X ofY は、「YがXする」と訳すと自然な日本語になる。そしてこのときの名詞 X を動詞に転換させて訳す。「生活がひっくりがえる」。
【3】 find oneself in ~ は 「気がついてみると ~の状態である」 と訳されるが、むしろ「~に身をおく」と訳すほうがうまくいく。というのも、日本語で多用される自発表現(自然に~となってしまう)は、英語にはあまりないが、これはまさにその例だから。自発表現は、中動態 (middle voice) として理解すると、目からウロコが落ちるように、見え方が変わってくる。
