英訳を考える◀【状況:葬儀】 和らぐ悲しみ
讃美歌「主は我が牧者」は、私たちを悲しい気持ちにさせる。
◇英訳◇
“The Lord’s My Shepherd” is one of those hymns that lulls you into its sadness. (BBC)
■ここに注目■
【1】《語法:名詞》 讃美歌は、たとえば友だちのように他の多くの名詞と同様に、日本語では単数・複数の二元対立がはっきり意識されずに使われる名詞。讃美歌にしても友だちにしても、ただ一つということはありえない。だから、one of the hymns. なお例文では those hymns となっているのは、~といった類いの という関係詞節で限定されているから。
【2】《語法:代名詞》 日本語の私たちは、英語の we のように they との二元対立で捉える意識が薄く、一般に人はという意味で使われる。英語では一般に人はは you.
【3】《語法:動詞》 人を状態にさせるは make 人 状態 (make us sad) の形がすぐに思い浮かぶが、これは何か力が加わりこちらの意志とは無関係に有無を言わさずにそういう状態にさせるというニュアンスがある。例文でmakeを使えば、讃美歌には私たちの意志とは無関係に、有無を言わせずに悲しくさせる力があるということになる。ところがすでにその状態に入っているが、その状態を和らげてプラスの状態にもっていく場合には、lull 人 into 状態. 例文ではすでに悲しいが、讃美歌を聴くとその同じ悲しみが和らいだ悲しみになるということ。