▶英訳を考える◀【状況:コロナ禍】社員の評価
さて、コロナ禍の結果として、経営者は、出社する社員の方を好意的に見るようになってきていることがしだいにはっきりしてきた。リモートワークする社員はそれほどまじめにやっていないという思い込みがあるからだ。
◇英訳◇
Now, in the wake of the pandemic, it’s becoming clear some managers view in-office workers more favorably, due to concerns they have that employees who work from home could be less engaged. (BBC)
■ここに注目■
【1】 Xの結果としては、Xが悪いことで、その結果としてよくない事態(Y)が起こる場合には、in the wake of X使う。別項参照。As a result of X, Y では、XもYも善し悪しどちらの場合であっても使える。
【2】 経営者は~しているというとき、日本語ではすべて経営者であろうと一部の経営者であろうと、<すべて>と<一部>を対立させて考えない。傾向として~であるという捉え方をする。傾向としてというときには、英語では<一部>と捉えるので、someをつける。なおこのsomeは幾人かのという意味ではない。参照 someは「それなりの」
【3】「経営者の思い込み」はtheir concerns となっていない。日本語では、人称代名詞の所有格をあまり使わないため、their concernsとconcerns they haveとの区別がつきにくい。(1) theirとすると、managersをさすのか、workers をさすのか曖昧なので、their own concernsとする必要がある。例 Putin manipulated the Ukraine conflicts to his own advantage. (2) their concerns とすると思い込みはただそれだけで、ほかの思い込みはないことになってしまう。(3)関係節でつなげると、節の内容によってどういう思い込みなのかを説明するので、それ以外の思い込みもあることになる。I have a brother who lives in Nagoya. この文では私には兄弟は二人以上いることになる。また(1)のプーチンの文では、自己利益はただプーチンためだけのもので、プーチン自身以外の他人は一切関係ないことになる。