▶英訳を考える◀【状況:非白人による差別発言】 インド出身の大臣は差別発言をしても人種主義者にならない
ブレイヴアマンは自分の民族出自を笠に着ているかのように、差別される側の犠牲者と通例では見られるはずの人間であるのをよいことにして、人種差別主義者という批判から免れている。
◇英訳◇
Ms. Braverman is almost hiding behind her own ethnicity she is insulated from the accusation of racist by being from a part of society that would be traditionally viewed as a potential victim of racism. (LBC)
* hiding [that] she is …という構文。
■ここに注目■
【1】《語法:名詞》 ブレイヴアマン(Suella Braverman)は、スナク政権の内務大臣。イギリス生まれだが、両親はともにインド人。不法入国移民に対する差別発言やあからさまな蔑視の態度が疑義を醸し出した。
【2】《語法:動詞》 ~を笠に着ては ~を有利に利用するだから、take advantage of ~ でよいが、これだとややあからさまに利用していることになる。むしろ~を隠れ蓑として利用する場合には hide behind ~.
【3】《語法:動詞》~でもしているかのようには as if ~ を使いたくなるが、as ifは、~の行為をしている「かのように」見える本人に対して、話者が実際には~ではないと否定するときに使う。 He always talks to me as if he were my mentor. (彼は私に、まるで精神的指導者のように話をする)→話者である私は、彼が「精神的指導者」だとは思っていない。これとは逆に、話者が、相手が~の行為を実際にしているとは思っているが、そういう断言を控えたいときに、かのようにだというのは、almost. だから例文では、インド人の出自を笠に着ていると、話者は思っている。
【4】《語法:助動詞》 ~と見られるはずを ought to be viewed as とすると、~と見るのが当然というニュアンスになってしまう。~だろうという主観的な推量をあらわす would を使うことに加えて、~の部分にpotential を加えて、~をいつも常にではなく潜在的にそのように見られる可能性があるとする。
【5】《語法:名詞》 人間という言葉は、日本語では多用され、人間形成 (character building)、人間不信 (distrust of others) などといわれるが、これらは英語ではいずれも human や man といった言葉は使われず、その意味内容で表現する。例文では、社会の一員、社会グループという意味で人間という言葉が使われているので、a part of society となる。
【6】《語法:動詞》 ~から免れるは、evade を使うと、うまく言い逃れをしていることになってしまう。被害・批判などから守られているのは be insulated from.
