◆二元対立の英語感覚◆《確定⇔不安定》現在進行形と現在形の違いは目下進行中か?
不安定な動きをあらわすのがキモ。だから丁寧表現になるし、柔らかく伝わる。
進行形は現在進行中の行為をあらわすと中学校で習っています。しかしそういわれると、自分が動いているときにしかつかえないように思えます。たとえば、キッチンで、「ねえ、ちょっと手伝って」と奥さんに言われても、今パンを焼くために自分は小麦粉を捏ねている最中でだめだという場合です。あるいは、トイレに行こうとした最中に電話が鳴って、自分は電話に出られないといったようなときです。
(1) Sorry, my hands are being full now. I am now kneading bread with Kenta.
ごめん、手がふさがっている。ケンタといまパンを捏ねている最中なんだ。
(2) I am now rushing to restroom so that I cannot answer the phone.
いまトイレに行きたいから、電話に出られない。
これらの進行形の例もそうなのですが、進行形を使うのは、必ず話し手が意図する計画、心に決めていること、そして計画や決めがあるにはあるのですが、いつそれがいつ変わるかわからない不安定な場合です。トイレにあわてていこうとしているのですが、きっとこの電話は職場からかかってきたのに違いない、自分の電話なのに出ないのはまずい、だけどトイレには行きたいし、よしもうトイレに行こうと決めている。
人になにかしてくれるように頼んだりするときには、進行形を使うというのも、「動詞+ing」のこのingがつくことによって、動詞のさししめている行為が、いつ変わるかわからない不安定さを意味として含んでいるからです。
(3) Will you be dropping by a drugstore on your way home from work?
(4) Will you drop by a drugstore on your way home from work?
“dropping by” とすると、ちゃんと立ち寄ってくれるとは思うけれど、もし何かの事情で立ち寄れなかったことも想定していて、頼まれている本人へのプレッシャーはそれほど強くありません。ところが、“drop by”と動詞原形で頼むと、ちょっとやそっとでは揺るがない動作(現在形の項目参照)になってしまいます。ちゃんと立ち寄ってくれるということが、前提になってしまうのです。だから、相手にものを頼むときには、「動詞+ing」を使うのです。
また「事態を変えていきたいと思っています」というときに、
(5) I’m hoping I can change things.
(6) I want to change things.
この二者間ではニュアンスは違います。事態を変えていきたいその気持ちがI’m hopingの場合にはいつ崩れるかわからないという不安定さがありますが、I wantだと変えていきたい気持ちが安定し決意の固さがうかがわれます。
