▶英訳を考える◀【状況:コロナ禍】 人生への再考


ロックダウンしたことで人々は孤独になり、生活の場、職業、恋愛関係、家族関係など基本的な要(かなめ)について、自分がどんな人生を送りどんな人間なのかをもっと深く分析するチャンスにめぐり合う人が増えてきた。

◇英訳◇
Lockdown-induced isolation has given many people the opportunity to more deeply analyse elements of their lives and identities, whether that be the places they live, the jobs they work or their romantic and family relationships. (BBC)

■ここに注目■
【1】  日本語の文の基本的な流れは、具体から抽象である。「生活の場、職業、恋愛関係、家族関係」という具体的なことがまず最初に述べられて、その次にそれらを包括するような抽象的なこと、「自分がどんな人生を送りどんな人間なのか」に移っていく。ところが英語はこの逆の流れで、まず漠然としたこと (lives and identities) を述べ、その次に具体的な事例 (the places they live, the jobs they work or their romantic and family relationships) へと進んでいく。
【2】 漠然・抽象→具体という方向に進むにあたって、→に当たる切れ目の部分として、for exampleや例文のように whetherが入り込む。ここの whether は動詞が原形 beであることからわかるように、「たとえXであれYであれ」ということ。日本語訳では「~など」とした。
【3】 elementsは要素と訳されるが、「人生やアイデンティティの要素」ではよくわからない。Elementsはidentityと同様に日本になりにくい英語のひとつで、elementsの語義は、要となる基本的なことなので、それにあわせて訳す必要がある。
【4】”the place they live in, the jobs they work for” が正用法だが、例文では簡潔な名詞句にしたいあまり、これらの前置詞を省略している。


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