◆二元対立の英語感覚◆《切断⇔影響》現在完了形と過去形の対立のあや


 

現在完了形=影響⇒現に影響をおよぼす事実
過去形=断絶⇒変えられない事実

新しいガールフレンドが見つかって、わくわくしながらレストランで彼女と話をしていたところ、ふと入り口の方に目をやると、なんと前に自分が振った旧ガールフレンドが、こちらに向かって歩いてくるではありませんか。なんとなくマズイと思ったのもつかの間、新ガールフレンドも私同様に、この女性の存在に気づいていました。ところが、新ガールフレンドは旧ガールフレンドにむかって手を振り、ウインクまでするのです。これは変だと思った私は、あの女性を知っているのかと聞くと、なんと答えは「ええ、もちろんよ」 “Sure, I’m.” ではありませんか。そして彼女がいったのは、「私があの人を呼んだのよ。だってすっきり清算しておかないと、私たちの関係がこわれるじゃない」というのです。

I have invited her because our new relationship might break down unless you call it quits with her.
私が来るようにってお願いしたの。あなたがきっぱりと別れてくれないなら、私たちの関係が壊れるかもしれないでしょう。

というのです。こんな風に、いまの状況となんらかの影響がある場合には現在完了形を使います。

 ところが、招いてしまっていて、「いまさら招いたという事実をキャンセルできませんよ、なにか文句があるの」という意味でなら、”I invited her”となります。「招いてしまった」過去の時点と現在の時点の間に断絶があることを示し、過去のその時点と現在の時点との間の距離をもはや埋めることができないから、こういう意味になります。

 なおどんな一時点をとってみても、そんな行為をしていないというなら、”I have not invited her” ということになります。

 逆にどんな一時点をとってみても、そんな行為をしているというなら

I have always said that I wanted to invite her and make things straight.
あの人に来てもらって、関係をはっきりさせたいっていつもいってたでしょう。

となります。

そういえば、いつもではないとはいえ、そういう計画があることを何度か口にしていたし、今この場におよんでもその計画を変えていないということなら、「自発的計画」を強調して、現在完了形よりもむしろ過去進行形を使います。

Yes, you’re right. You were telling me that you might invite her when we have dinner at the restaurant.

そうだね。レストランで食事するときにはあの人に来てもらおうと、僕にいってたものね。

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